「ぅんん!!」





体を引き裂かれるような痛みに、思わず声が漏れてしまう。

思ってた以上の痛みに頭が混乱してしまい、逃げようと腰を浮かせた。
そのため、途中まで入っていた彼のソレはするりと抜け、私のソコにはひんやりとした感覚だけ残された。



ハッとして彼を見ると、目を細めて優しく微笑んでいた。
目が合うと私の頭に手を置き、ぽんぽんと撫でる。





「まだ早かったな」





その言葉を聞いて、自分の行動を後悔した。

本能で逃げたかもしれないけど、彼を受け入れないなんて考えられない。
こんなに一つになりたいのに、痛みに気持ちが負けてしまった。

悔しくて、悲しくて、自分が許せない。
こんなに大事にされてるのに、逃げるなんて最悪だ。

あまりの悔しさに涙が溢れ、しゃくり上げるくらい泣いた。





、泣かないでくれ。痛いことはしない」





子供をあやすように抱きしめてくれる彼の胸にもたれ、自分がどうしたいか考えた。



愛してる。アランと一つになりたい。



どんなに考えても答えはこれしかない。
体は痛みから逃れたいかもしれない。けれど心はもっともっと近づきたい。
ううん、心も体も一つになりたい。



それが痛みの先に待っているなら…





「新しい紅茶を淹れよう」

「や…!」





離れようとする彼の腕を掴む。すると彼は困ったように私の顔を見た。





「いかないで」

「わかった」





きっと酷い顔をしているだろう。けれど、アランは何も言わずに抱きしめてくれた。
彼の温もりを感じ、愛を確信する。





「もう一回して…」

「ん?」

「アランと、ひとつになりたい…」

「しかし!」





驚きを隠せずにいる彼の唇に、自分の唇を押し付ける。
噛みつく様にキスをせがみ、彼に覆いかぶさった。
そして額、頬、首筋にキスを浴びせ、胸に耳を当てる。

アランの心臓は早鐘を打っていた。





、無理はしないでくれ。初めては、身が引き裂かれるような痛みを伴うという。お前が痛がるのは嫌なのだ」

「痛くても、私はあなたと一つになりたい!」

「いつだっていいのだ。私達は一緒にいる。お前の準備が出来た時に…」

「準備は出来てます!」





大声で叫んでしまい、思わず口を覆った。
そして小声に戻ると、アランを抱きしめる。





「痛くて驚きました。けど、痛みよりもあなたと繋がることを望んでるの。愛してるの…」





最後の方は涙声になってしまい、彼は聞き取れなかったかもしれない。
でもアランはわかってくれたようだった。頷くと、軽いキスをくれて私の乳首をつまんだ。
そして優しくこねくり回す。





「あはン…あんっ」





気持ち良くて自然に声が出る。腰が浮き、足に力が入らない。
上半身を彼の胸に預けると、片手が私の下腹部に滑り込んだ。
溝をなぞり上げられて嬌声を上げると、ぐちゃりとかき回される。

潤いは十分だった。乾くことはなかったもの。
アランのことを考えるだけで、私のソコはしとどに濡れる。

彼は体を回転させて私をベッドに押し付けると、もう一度自身をあてがって、ゆっくり、確実に埋めてきた。
異物感に困惑しながらも、出来る限り全身の力を抜いて受け入れる。

押し開けられて彼がどんどん奥に入ってくるのが感じられると、心は幸せで満たされていく。
グイグイと入れられ、ナカが彼に支配されていった……その時、





「ううっ!」





あの痛みが全身に走った。

私の叫びを聞き、アランは体を倒して口づけてくれた。
それが嬉しくて泣き笑いすると、彼も少し苦しそうに笑う。

背中に手を回し、きゅっと力を入れる。
彼はそれを確認してから奥に挿入し、力いっぱい入口を押し開けた。





「んああぁっ!!!」





痛すぎるってものじゃない。言葉では言い表せないくらいよ。
アランの背に爪を立て、きっと傷がつくほど掴んでしまったわ。

入口を引き裂かれた後は、疼きが残ったもののそれ以上の痛みはなかった。
私の体から力が抜けると、アランはもっと奥に入ってきた。

ぼーっとしながらも、こんなに入るんだ…と考えていた。
そして体の奥で「トンッ」とぶつかる。





「入った……?」

「ああ、全部入った」

「嬉しい……」





彼にしがみつき、胸に耳を当てる。
その鼓動は、先程よりももっと早鐘を打っていた。

アランは私の肩に手を掛けて体を離すと、私の目を見つめて嬉しそうに笑った。
私も笑い返し、深いキスを交わす。

上も下も繋がり、これ以上ない程の幸せを感じる。
私達は本当に愛し合ってる。そう感じられた。

体勢が辛くなり少し腰を動かすと、私の中のアランもうごめく。
それと同時に彼が「う…」と声を漏らした。

繋がるだけでも嬉しいけれど、それだけじゃ足りない。
アランが私を気持ち良くしてくれたように、私も彼に気持ちよくなってもらいたい!
新たな願望が生まれた。



私の中で彼が気持ちよくなってくれれば嬉しい。私が気持ちよくさせてあげたい!!!





「ア…ラン」

「どうした?辛いか」

「いいえ、動いて」

「それは……」





続きを言うのを止め、彼は私の目を見た。そして確信したのか、ゆっくりと動き出す。
既にあの疼きもなく、ナカで彼が動いているのだけが感じられた。





「はぁっ…」





彼の動きが早くなった。目を瞑り、眉間に皺を寄せて動きに集中している。
時折漏らす声がセクシーで、私の心を躍らせた。

額に薄っすらと汗をかき、歯を食いしばっている。快感に耐えているのか、律動は早くなったり遅くなったり。
抜かれてしまうのではないかというくらいにぎりぎりまで腰を引き、次は強く突き上げる。





「あああっ」





その衝撃が体中を走り抜ける。
痛くない。痛くない…むしろ…





「ああんっ」





再び突き上げられ確信する。



気持ちいい…



それが数回繰り返され、いつのまにか求めるように自分も腰を振っていた。
きっとアランも気付いたのだろう、律動は激しさを増していく。





「んあっ…んああっ…」

「ふんっ…」





彼の突きが強くなる。
強く閉じていた目を開き彼を盗み見ると、小刻みに吐息を漏らしていた。





「ふんっ…ふっ…うっ」





小さな呻きをが聞こえ、彼は私から引き抜こうとした。
きっと、私のことを考えて外に出すつもりなんだ。





「やっ…抜かないで…!」

「しかし、それでは」

「お願いです。中で…」





全部受け入れたい。
あなたの全てがほしいの。

全部言わなかったけれど、彼には伝わったようだった。
アランは私の腰を持ち上げ、今までよりも深く私を突き上げた。





「あああっ!」





私の肉を押し上げるように彼は奥にいれ込む。
すると反射的に私のソコは彼を締め上げるようにすぼまった。





「ううっ」





そしてアランは、私のナカに熱いものを放ったの。





私の上で脱力し、胸にもたれ掛かった彼の頭を抱きしめる。アランは動くことなく、余韻に浸っているようだった。
ナカの彼も脱力して、放たれた熱いモノが私を満たしている。

しばらくして彼は頭を上げると、疲れた表情で笑った。





、ありがとう」

「え?」

「私に幸福をくれて」





軽いキスを交わし、彼を見上げた。
私と同じ満たされている表情だ。





「戦いが終わったら、一緒になってくれないか」





待ち望んでいた言葉だった。
付き合い始めてまだ日も浅いけれど、私はアラン以外考えられなかった。





「はい…」





微笑み返すと、彼は私の頭に手を置いて撫でた。
何故かその時、彼の行動に違和感を感じたの。
でもあまりの幸福さに、その違和感は埋もれてなくなってしまった。





体は大切にしなければという彼の言葉で、私はそのまま休むことにした。
もっと彼を悦ばせたいという気持ちはあったけれど、初めての行為に疲れがあるのも事実。
だから裸のまま、彼の温もりを感じて眠りについた。








真夜中、寒さを覚えて布団を引っ張ると、彼が横にいないのに気付いた。
ぼんやりとドアの方を見ると、服を着て出ていくところだった。

声を掛けようか迷っていると、彼は強く咳込んだ。
そしてそのまま、部屋から出ていってしまう。

それを見つめながら、私は寝てしまったの。

次に目を覚ますと、部屋の中は美味しそうな匂いが充満していた。
その元を見つけ、お腹がグウと鳴る。





「おはよう、。そろそろ起きる頃だと思っていた」

「おはようございます、アラン」





ベッドから起き上がり床に足を着くと、痛みが走った。
驚いた私は、座り込んでしまう。





「大丈夫か?」

「はい。でもまだ歩けそうには…」





立ち上がろうとすると痛みが走り、うまく立ち上がれない。
すると、アランは私を抱え上げた。





「では机をこちらに持ってくる。はベッドで食べるといい」

「ありがとうございます」





彼の手に自分の手を乗せ、感謝の意を表す。
ベッドへ静かに下ろされ、食べ物を心待ちにする。

もう、お腹ぺこぺこ。





「さあ、食べなさい」





彼は保護者の如く言うと、自分も椅子を持ってきて座った。
運ばれてきた机を見て驚く。これって、私が言ったパイじゃない!





「アラン、これって…」

「ああ。今日は食べに行けなさそうだと思ってな」





食べたいって言ってたのを覚えてるだけじゃなく、私が動けないことを見越して買ってきてくれたんだ!





「うれしい」





かぶりついてモグモグと食べていると、アランの視線を感じた。
ちらりと見ると、彼は満足そうに笑っている。

アランにも食べるようにすすめ、二人でしっかり完食する。
彼は食器を片しにいくと、すぐに戻ってきた。





「今日はここにいると良い」

「いいのですか?」

「それでは何も出来ないだろう」





確かに、動くのもままならない。





「幸い、出発は明後日になった。兵士達は明日まで休みだ」

「本当に!良かった…」





こんなに動けないんじゃ、マルス様どころか自分さえも危うい。





「読みたいと言っていた兵法書もあるのだし、ゆっくりとしていけばいい」

「はい!」





彼の言葉通り、私は魅力的な兵法書を一冊一冊丁寧に読みふけった。







本に集中しすぎて、次に私が気付いたのは空腹を感じた夕食だった。
そう、アランと一緒にパイを食べたのはお昼過ぎで、それからずっと本を読みふけっていたの。
恋人の部屋で何をやってるんだって思うかもしれないけれど、アランはアランで用事があるのか、部屋から出て行ったっきり戻って来なかった。
でも夕食には必ず戻ると言ってたし、私は彼を待つことにした。

それから間もなく、彼は夕食を手に帰ってきた。
ちゃんと二人分あって、お昼と同じように二人で楽しく食べたわ。

そして夜、私の体を気遣って安静にした方がいいという彼を誘惑して再び愛し合った。
昨日とは違った方法で私を攻め、いとも簡単に絶頂にさせる彼は素晴らしかった。
もちろん私も頑張ったわ。自分に出来る方法で、愛し尽くしたの。





ずっとこんな毎日が続けばいいと思ったけれど、私達はまだ戦いの真っ最中。
マルス様が私達を労って休暇をくれたけれども、エリス様もさらわれたまま。アリティアはまだアカネイアに狙われている。
それに二日間もみんなの前から姿を消していた私を、誰かが探しているかもしれない。
もう体調も万全だったし、三日目の今日は自分の部屋に戻ることにしたの。

アランと熱い抱擁とキスを交わし、後ろ髪ひかれる思いで部屋を後にした。
カモフラージュに持ってきた兵法書と読み切れなくて借りた本を持って部屋に戻ったけど、セシルはいなかった。
私が部屋に戻って来ない理由はきっと言わずともわかるだろうから良いんだけど、やっぱり彼女には言っておきたかったのに…
残念に思いながら稽古着に着替え、弓矢を持って外に出た。



稽古場に着くと、たくさんの兵士がいた。きっと三日もの休日なんて滅多に取れないから、持て余してしまったんだろう。
暇つぶしにここに来ているのだと覗えた。
だって、稽古着の人は数えるほどしかいないんだもの。
中では誰かが決闘しているようだった。打ち合いの音が激しくなる度、大きな歓声が上がる。











外で弓の用意をしていると、ルークに声を掛けられた。彼はスタスタと寄ってきて、しゃがんでいる私を見下ろした。





「何か用?」

「お前、この二日間どこ行ってたんだよ。稽古場にも全く顔見せねーし」

「別にいいでしょ」





幸せの後に、こんな風にからまれたくない。そう思って冷たくあしらうと、ルークは機嫌を損ねたようだった。
私の肩を掴み、自分の方を向かせた。





「まさか恋人と仲良くやってたんじゃねーの?って、お前に恋人なんて出来るわけ…」

「っ…」





突然の図星を指され、あろうことか私は真っ赤になってしまった。
するとそれに気づいた彼が、目を丸くして私を見る。





「お前、恋人いんのかよ!」





あまりにも大きな声で言われたものだから、決闘を見物していた人達みんながこちらを見た。
中で決闘していた二人、カイン殿とアベル殿も出てきてしまった。
そして彼らは、口々に「に恋人?」「うそだろ?」とざわめき始める。

私はあまりの恥ずかしさに、こうなった元凶のルークを睨みつけて言った。





「私にだって、恋人はいるわよ!!!」





その場にいる全員に聞こえただろう。そのくらい大声で言ったもの。
私は用意しかけた弓を握りしめると、その場を後にした。

面白がってつけてくる人もいなかったから、私はさっき後にしたばかりのアランの部屋に向かった。





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なんか二話分の話がつまってしまった(汗
に誘惑されて、アランの体力はもつんでしょうか^^;


2011/04/23



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