「クーリッジ!」
















浜にクロエの声が響いた。
仲間達は一斉にセネルを見た。すると彼は先程までとは異なり、鮮やかな緑の瞳をくりくりと動かしている。
セネルは腕をついて起き上がると背伸びをし、「よっ」という掛け声と共に起き上がると仲間を見回した。
















「セネセネ、ちゃんは!?連れ戻せたの?」
















ノーマの泣きそうな声が聞こえセネルは彼女を見た。そのままへと視線を移しニカッと笑う。
















「ノーマ」
















くすくす笑いと同時に凛とした声で呼ばれ、ノーマは目を丸くする。
仲間達が全員でを見ると、彼女はいつもの朗らかな笑みを湛え、目覚めていた。
は滑らかな手つきで起き上がると深々と頭を下げた。
















「みんな、ごめんなさい」
















はそのまま顔を上げなかった。
誰かが何かを発しないと彼女は顔をあげないということを察するまで時間がかかり、仲間達は思わず顔を見合わせる。
彼らは無言で笑いあった後、全員で合わせて言った。
















『おかえり、


















「艦橋で何があったのだ」
















一通りの抱擁を済ませた後、ウィルが問う。
するとは困ったように目を泳がせてセネルを見る。彼はそんな彼女に軽く頷くと、ウィルを見返した。
















「この件は俺に任せてくれないか?」

「セネル一人にか?」

「ああ、と約束したんだ。俺一人で支えると」
















セネルの言葉に皆息をのんだ。そして「ああやはり」という表情に変わる。
















「お前達がそう決めたならば何も言うまい。これはの問題だ」

「悪い…」

「ありがとう、みんな」
















とセネルは頷き合った。
仲間達はいよいよ確信する。はセネルを選んだのだと…
それを見ていたワルターの悲痛な顔が目に入り、ノーマは目を逸らすようにの肩を叩いた。
















「いーよいーよ!ちゃんがいいならそれが一番!セネセネと仲直りできてよかった」

「ええ!」

「問題も解決した、街に戻ろう」
















もやもやした空気を一掃するようにウィルが言った。
仲間達は頷くと、昇降装置に向かって歩き出した。
















街に戻ると空は暗く、既に日が落ちていた。
それぞれの家に戻ろうと別れを告げているとき、セネルはこっそりを呼ぶ。
彼らは仲間達から少し離れたところで話し始めた。
















、明日も頑張ろうな」

「ええ」

「それでだ……」
















セネルはシャーリィの横を歩いているワルターをちらりと見て言う。
















「ワルターには自分の気持ち、ちゃんと伝えるんだぞ。
あいつ、気が付いたばっかで体力戻ってないくせに誰よりも先にお前を探しに行ったんだ。それで意識朦朧としながら抱えて戻ってきたらしいぞ」

「ええっ!!!」
















は驚きと共に胸奥からたくさんの愛が溢れだしたことに戸惑った。
彼が自分のためにしてくれた事が嬉しく、そして幸せに感じる。
















「そんな嬉しそうにするなよ、妬ける」

「あっ…えっ?」

「顔がニヤけてる」

「やっそんな…」
















セネルはそんなの背中を軽く叩き、そして優しく微笑んだ。

自分の気持ちに気付いた途端、はワルターに恋をする乙女になっていた。
それを悔しく思いつつ、嬉しくも思っている自分に気づいていた。

これでいいんだ。だって俺は事実を受け止めて、こんなにも嬉しく思ってる。
















「さ、帰るぞ」

「ええ」
















彼らは解散し始めている仲間達に遅れを取らないよう走った。

































































夕食を終えたとワルターは、部屋で紅茶を飲みながら向かい合っていた。
しかし会話はなく、彼女がたまにちらりと彼を見るだけ。
その目線に耐えかねたワルターは彼女をじっと見返した。
無言で「言いたいことがあるなら言え」と催促するように。
















「あのね、ワルター…私ね」

「なんだ?」

「その……」

「はっきり言え!」
















怒鳴ってしまい自分でも驚く。
最悪だった。状況を素直に受け入れられず、気が立っている。
彼は納得したつもりだった。しかし彼女を目の前にしてすんなりと受け入れることが出来ない。
















「あの…万全じゃないのに私を探しに飛んでくれたって聞いたわ。本当にごめんなさい、でもありがとう」
















にっこりとほほ笑むの顔を真面に見れないと思った彼は,、席を立つとドアへ向かう。
はびっくりして呼び止めた。
















「どこか行くの?」

「ああ」

「私も行っていい?」
















そう言いながらもじもじと赤くなるを見て悲しみに満たされる。
このわかりやすい状況を見せてもなお、俺にセネルとの関係を報告したいのか…
そんなこと耐えられるはずがない!!!
















「だめだ、お前は明日に備えて寝ろ」

「えっ…」
















ワルターは素早く言うと部屋を出た。彼女がついてくる気配もなく胸を撫で下ろす。
彼はそのまま階段を下りるとロビーのイスに座った。
数分経った頃、外からノーマが入って来た。
彼女はワルターの存在に気付くと近寄ってくる。
















「ワルちん、部屋に戻らないの?」

「うるさい」

ちゃんがきっと心配してるよ」

「だまれ!!!」
















強く言うと珍しくノーマは黙ってしまった。しかし立ち去る気配はない。
















「なんだ?」

「……あたし、ちゃんはワルちんだと思ってるよ」
















彼女の言葉に耳を疑い見返す。しかしノーマは真剣な表情で自分を見ていた。
ノーマが未だなおそう思っていることは明らかだった。
その言葉に少し救われるとワルターの表情が緩む。
するとノーマは断りもなく彼の横に座り、肩を叩いてきた。
















「泣きたいときは泣いていいんじゃん?人なんだからさ」
















その言葉に危うく涙が出そうになり、ワルターは耐えながら彼女を睨んだ。
















「ワルちんが泣きそ〜」

「黙れと言っている」

「泣け泣け〜」

「黙れ…」
















こんなやり取りを数時間繰り返した後、が寝静まったのを見計らってワルターは部屋に戻った。

彼は隣にいるノーマの存在に感謝していた。
が自分を選ぶだろうと思っていた心が砕けていた。そんな不安定な時にそばにいてくれる者はありがたいと知った。
やセネル、他の奴らが言う様に、仲間というものは掛け替えのない大切なものだと知ったのだ。

















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なんか知らないけど誤解が誤解を生みはじめてる(笑
もういいのに絡ませちゃう私って…(笑
これいつ解決するんだろ?


2010/02/27