「疲れたのなら、諦めればよい。
「また…やっちゃったな…
あたし、ほんとにだめだね。何にも思い通りにならないよ。」
どうしてこうなんだろう?
「トラップのひとつも解除できないで、こんな大ケガまでしちゃってさ。
あたしは…
「ししょー、あたしなにやってんだろうね?」
あたしは、本当にトレジャーハンターなの?
「ほんとに、なにやってんだろ……。」
どうして、いつもこうなの!?
「ししょー、あたし……」
どうして、
どうして、
どうして、
どうしてなのっ!?
「むむ〜、なんで上手くいかないのよ!」
「こら、落ち着け!トラップの解除は冷静に、だ。」
ししょーはそう言うと、いつものニヤニヤ笑いをした。
あたしはそれが大っ嫌いで…
うん、ししょーに馬鹿にされてる気がして嫌だったからなんだけど…
もっと頭にきてしまった。
「ししょーに解除できて、あたしに出来ないのが納得できない!」
「なんじゃそら!」
またおどけた顔をする。
だから…やめてよその顔…むなしくなんじゃん。
ししょーに出来て…あたしに出来ないのは、才能がないからかもって思っちゃうじゃん!
「よし、今度はあっちに行ってみよう!」
「ば、ばか、そっちは……。」
あたしはトラップ解除の目星をつけると、そこに向かって歩き出した。
ししょーが止めるのを無視して。
あたしはししょーを追っていくの。エバーライトを見つけんの!
こんなことで燻ってる、あたしじゃないんだから!!!
「ん?」
その場所で止まろうとし、最後に踏み出した足の下から小さな機械音。
「ありゃ?」
「ノーマ!」
強く掴まれてその場に引き寄せられる体。
それと引き換えにししょーの体が前に出た。
「ば、爆発ものはやばい。許して〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
ししょーはもろに爆発のダメージを喰らうと、その場にふらふらと座り込んだ。
あたしは冷ややかにそれを見ると、(あたしのせいなのに)次のトラップ解除に移る。
「う〜ん、やっぱり、こっちかな?」
「ノーマ、頼む。日頃バカにしてるのは謝る。
って、あれ?ノーマ?」
ししょーが呟くことはあたしに聞こえず、再びヘマをしてしまった。
「ん?」
カチという音と共に、ししょーの体が消えた。
「落ちるのはいや〜〜〜っ!ママ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンっ!!」
あたしはそんなししょーにまた冷ややかな視線を送ると、歩き出す。
今度こそ…
今度こそ絶対…
気持ちだけが急いていくのがわかる。でもわかるだけで何も出来ないんだ。
あの時のあたしは、何よりもししょーに近づく事を考えてたから。
カチ
「えっ…」
いつの間にか鳴るトラップ音。
そして、あたしは…
「ノーマ、おい、しっかりしろ!ノーマ!!」
ししょーの腕の中で気が遠くなってくだけ。
あん時から何一つ変わってない。成長してない。
「ごめん、ししょー…あたし…昔のまんまなんだ。
あれからぜんぜん成長してない。」
そうなんだ。
全然成長してない。
だから、トラップも解除できないし、みんなに迷惑かけるし、
……しまいにはこんな大ケガするし。
「もう、あたし…だめだよ…」
だめなんだよ!!!!!
「ししょーのように、上手くできない!
ししょーのように、夢に向かえない!
ししょーのように……
エバーライトを信じられないんだよ!!!」
……ああ、言ってしまったと思った。
ずっとがむしゃらに信じてきたけど、それはししょーが信じてたからであって、ししょーがいたからであって……
あたしを、ししょーが支えてくれてたからであって……
「あたしは…ししょーがいないと…」
何にもできないんだよ…。
「しゃれになってないよー…」
今さらこんな事に気付くなんて…
あたしって、ほんとにバカだ。
「爪術使えるからって、ししょーに上級学校行かせてもらえたからって…何にも出来ない。鼻が高くなって、自分が何でも出来ると思って…」
ししょーの見た夢を追いかけてみたけど、もうだめかもしんない。
信じ続けるの……つらいよ。
つらすぎるよ…。
「もう、やめてもいいよね?
信じるの…やめてもいいよね?」
*
ノーマはスヴェンの墓の前で泣き崩れた。
肩を震わせて、その背中を小さく、小さくしながら。
「ね〜、ししょー、いいって言ってよ!」
本人が居たら今にも掴みかかりそうな勢いなのにも関わらず、ノーマは弱々しく見えた。
そして動くことのない墓は、スヴェンの姿を映し出したかのように見える。
「もう、一人で信じるのはつらいよ!
つらすぎるんだよ!!!」
映し出されたスヴェンの表情は、優しく…彼女の全てを許すかの様だった。
責める者は誰一人としておらぬ。」
その時、スヴェンの顔が消え闇の様に美しい女性が現れた。
彼女はノーマを抱えるように抱き起こす。
「ししょーも、許してくれるかな?」
「…ああ、許そう。」
女性は微かに微笑んだ。
それは冷たい笑顔で、普段のノーマだったら凍りつくような悪寒を覚えただろう。
しかし、今のノーマには頑張ることをやめる許しをくれる者に過ぎない。
「そっか…よかった。よかった、よかった。
あたしもう、ボロボロだもん。
……もう、おやすみ…」
ノーマは女性に笑いかけると、そのまま崩れ落ちた。
女性はノーマを横たえると、不適な笑みを強くする。
そしてノーマの胸に手を当てると、何かの力を加えた。
「子に永遠の安らぎを与えよう。」
*******************
微妙な終わり具合(笑)
ゲームとちょっと違うノーマの
「ししょーがいないと何にもできないあたし」
な状況です^^
2007/04/22
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