ガチャ







「・・・?」


「早く入れ!!」



誰かが隣りの牢に入れられた様である。



「………」



キイィ 



ガチャッ





隣の牢に入れられた者は、何の抵抗もせずに入ったようだ。
牢番は鍵を閉めると、何も言わずに去っていった。



「……」



隣りの牢には誰が入れられたのか、どんな境遇の人なのか。

彼女は抵抗の声も出さなかった同じ境遇の者に、同情の気持ちが溢れてくるのを感じた。



― 少しでも、助けになってあげたい。



彼女の境遇がこうさせるのか、もともと持っていた優しさなのか。
壁の向こうにいる者が少しでも元気になるように、彼女は話しかけることにした。




「あの、大丈夫ですか?怪我など、されていませんか?」



しかし返答はない。

彼女は心配になって牢の中にあった石で壁をコツコツと叩いてみた。




コツコツ…




やはり返答はない。



もしかしたら、話したり動いたり
出来ない状況なのかもしれない。


内心焦ると、もう一度同じように声を掛けてみた。




「あの、大丈夫ですか?」




すると、か細い少女の声が聞こえて来た。




「…誰か、いるんですか?」




消え入りそうな儚い声だけれども、確かに女の子の声が聞こえた。


彼女は先ほどより壁に近付くと、大き過ぎず、隣りに聞こえるくらい声で話し始めた。



「私は、といいます。あなたのお名前を聞かせてくださいませんか?」



自分の名を名乗ると、相手も名乗ってくれた。



「私は、シャーリィといいます。あの・・・さんは何故こんなところに?」



シャーリィと名乗った少女は、自分と同じ境遇だと思ったのだろう、警戒心もなく話をしてくれた。



「え…と、私はよくわかりませんが、捕まってここにつれてこられてしまったのです。シャーリィは?」



「わ…私は…」




シャーリィは何もかも話をしてくれた。
自分の乗ってきた船が遺跡船に漂着したこと。モーゼスという山賊に連れ去られたこと。
やっと兄に助けてもらってほっとしたのもつかの間、軍に拘束されてしまったこと。
そして、兄が崖から落とされた事。




「そう…大変だったのね、シャーリィ…。」


「はい…。私のせいで、お兄ちゃんが…お兄ちゃんが…崖から落とされてしまって…。
私、もうどうすればいいか…。」


そう言うと、シャーリィは泣き崩れたようであった。



「お兄ちゃんがいないと私……」


「シャーリィ、落ち着いて。」



は強く、そして優しく語りかけた。



「あなたは、お兄さんがどうなったかはわからないでしょう?」



「…はい。」


シャーリィは泣きながら頷いた。はそれを聞くと、出来るだけ明るい声で言う。



「それなら、お兄さんは生きているわ!」



はシャーリィ側の壁に寄りかかって何かを感じとるかの様に目を瞑った。


「この船には私達の知らない力がある。こんなにも、暖かい力が。感じるでしょう?シャーリィ。」


は壁に手を当てた。



「壁に手を当ててみて。ほら!」



シャーリィも壁に手を当てている様で、に暖かい力が流れ込んで来た。
その力が、いつもの数倍に感じられて、それに少し驚いたは、一瞬壁から手を離してしまった。



「…どうなさったんですか?」



それに気付いたのか、シャーリィは心配そうに話しかける。



「い、いえ…。」


はシャーリィの持つ力に疑問を抱いたが、何も聞かない事にした。
なんだか失礼な感じがしたし、その事を聞いたら折角喋ってくれるシャーリィとの仲が壊れてしまう気がしたのだ。



― でも、この力…遺跡船で感じる力と似てる…?



はゆっくり首を振ると、
今はシャーリィを元気付ける事が先だわ。と考えを取り払った。



は壁に手をつけると、ゆっくりと体の中の力を集中させた。



…ポウッ



の爪が光り、壁に淡い光が移る。 
壁はうっすらとした淡い光を放つと、シャーリィにその暖かさを伝えていく。



「なんだろう…すごく暖かい…。」



はふふと微笑むと、


「暖かいでしょう?私がこの船に来た時から感じているこの力。私たちを包み込み、暖かく守ってくれるこの力。この力は、きっと…あなたのお兄さんを守ってくれる。
私はそうだと、信じています。」



は優しく語りかけた。



「・・・はい。私も感じました。この暖かい力は、お兄ちゃんを守ってくれる。そう思います。」



シャーリィはそう言うと、泣くのを止めたようであった。


さんてこの力とか…お姉ちゃんに似てる。
優しくて、暖かくて、落ち着く。



さんて不思議な人ですね。」


「そうですか?」


「ええ…。だって、シャーリィって呼ぶのに喋り方は敬語を使うんですもの。」


「あら、じゃあ普通に話すようにするわ。」


「はい!」



が言うと、シャーリィはふふ、と笑って喜んだ。




ー もう大丈夫だ。最初にあった悲しみの気は、消えてしまった。




「それに…、お姉ちゃんみたいです。」


「本当!?・・・嬉しい。ありがとう、シャーリィ。」



― ふふ。末っ子の私が、お姉さんみたいだと言われることが、どんなに嬉しいか、シャーリィはわかっていないでしょうね




「シャーリィ。」


「何ですか?」


「私にも、妹が出来たみたいよ。」


二人は、壁を挟みながら心から笑って喋りあった。







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とりあえず、シャーリィと出会いました。シャーリィがフェニモールと会う前ですね。


突っ込みどころ満載で、本編と噛み合っていないかもしれませんが、DREAMということで


(汗)


レジェンディアの内容をメモしているわけでもないので、攻略本を片手に、頑張りたいと思います!!