さん、あそこであのイメージの続きを見ていたんですか?」

「ええ。最後のイメージを見てたの。」

「最後……。では、あの光の正体を掴んだあとに詳しく聞かせてもらいましょうか。」

「わかったわ。」

「…。」











ステラとジェイは早足で皆の所に歩いていく。彼らは無言だ。

私は内心ハラハラしてしまった。だって、ジェイだったら気付いてしまうかもしれない。
これが私じゃないって事に。

…でも普通に考えればそんなことありえないよね。
うん、きっと大丈夫。今のところ不審がってないし。












「おーい、遅いぞ!」










セネルの声。
ステラはビクッと肩を震わせると、小さく手を振った。
顔は…嬉しそう。私の顔だけどね。









「ごめんね、みんな。」

「いや、気にするな。さて、集まったようだし、あの光る浜辺まで歩いて行くか。」






『オー!!』









私達は逸る思いを押し込めて歩き出した。
今まで何にもなかった浜辺が突然光り出すなんて、次なる何かがある証だものね。



ハラハラしちゃう。









「のぅ、。」

「何?」

「手ェ繋がんか?」

「えっ…。」









モーゼスの言葉にオドオドするステラ。

もーっ!モーゼスったら、これはステラなのに!!








「あっ…いいわ…」

「はーいモーゼスさん。抜け駆け禁止ですよー。」

「うるさいチビッコじゃのぅ。」

「なんか言いました?」







反論したモーゼスにジェイは苦無をチラリと見せた。







「…なんも言っとらん。」

「ですよねー。

ささ、セネルさん。今日はあなたがこの獣…いえ野獣からさんを守ってくださいね。」

「あ、ああ。」






いきなり振られたセネルは目を点にしながらも、ステラの横に並んで歩き出した。







「野獣ってなんじゃ!」

「モーゼスさんのことですよ。わかるように言ったつもりだったんですが?」

「ジェー坊!!!!」






彼らはまた追いかけっこを始めた。毎日毎日仲の良いこと。

でも、ステラも嬉しそうにセネルと話してるし、良かった良かった♪





















































「着いたけど〜。」

「着いたな。」







私達は光る浜辺に着いた。
でも実際光っていたのは浜辺ではなく、そこに埋まっている石盤。
その石盤には四つの溝があって描かれているであろう絵の一部が見えなくなっていた。






「四箇所……四箇所だって?セネルさん、今まで拾った碑版をあそこに填めるんですよ。」

「どの順番でだ?ジェイ、わかるか?」

「ちょっと待ってください…。うーん…

…そうか!これは時系列に填めればいいんですよ!」







ジェイはそう言うと、セネルから碑版を受け取った。






「まず始めに、白くて四角い船が空から下りて来ることで、全てが始まる。これが人類と煌髪人の出会い。」






彼はそう言いながら碑版を填めた。







「では、次はこうではないか?」


クロエがセネルから碑版を受け取って石盤に填める。






「白くて四角い船が陸から離れるのを人々が見送っている。これは二つの種族の不幸な戦い…そして人類の勝利。」








「…次はこうか?」


ウィルがセネルの持つ碑版の一つを掴み、填める。








「白くて四角い船の上に新天地を求めた煌髪人が土を盛る。これが元創王国の誕生。」








セネルは最後に残った碑版を溝に填めて呟いた。








「大沈下が起こる瞬間、遺跡船が光りにつつまれる。これが…水の民の恨み。光跡翼…か。」







彼が最後の碑版を填めた瞬間、海が光り出した。









…聞こえる。
これは滄我の声だわ。






『汝らの道を示せ』









私達がこれからどうしたいか、どうしていくかを聞いてる。
私達は答えなくてはいけないんだわ。でも、そうがの声は私にしか聞こえないのよね。
どうやって皆に伝えよう…。





(まかせて。)




私が困っていると、ステラが胸をトンと叩いて答えた。



「きっと滄我は、私達がこれからどうしていくかを聞きたいんじゃないかしら?」





ステラがみんなに言う。
すると突然、海が一瞬淡く光ったかと思うと、ウィルの爪が光り出した。







 ― 一体何が起こったの!?



(聖爪術よ。)



 ― 聖爪術?



(そう。あなたの仲間達に聖爪術が与えられるの。)



 ― まあ…。






ウィルは海の前に進み出ると、遠くを見る目付きになった。






「俺は大沈下を止めるのは義務だと思っている。ハリエットがここにいるから、俺は大丈夫などとは言えない。
平穏な人々の暮らしを一方的に奪うなと許されるはずがない、だから真実を知った俺は大沈下を止める義務があるのだ。」





ウィルの言葉が終わると、彼の体は光り出した。



(彼に聖爪術が与えられたわ。)






「次はワイじゃ!ワイはのう、説得すりゃあ嬢ちゃんは元に戻る信じちょる!大沈下なぞ絶対に起こさせんわ!安心せい!」





モーゼスの体もウィルと同じように光り出した。





「あ、あたし?あたしはさ、エバーライト見つけたいだけだから。大それたことはあたしのガラでもないし。
でも大沈下が起こるのは困るかな。家出中とは言え、向こうには親もいるし。このまま死なれたんじゃ後味悪すぎ!
とにかくあたしはこれからも楽しくエバーライト探しを続けたいの!そのために大沈下を止めなきゃってんなら、仕方ない、やるかって感じ!」




何だかノーマらしいわね。ほっとしちゃう。




次はジェイみたい。





「僕ですか。…遺跡船は僕の故郷なんです。僕にとってはここに大切な人がいっぱいいる。だから大沈下を止めてみせます。


大切な遺跡船を守るために。」




ジェイの大切なもの。モフモフ族のみんなだわね。ジェイはとっても、彼らを大事にしてるから。






「あらぁ、わたくし?

…こんにちは、滄我ちゃん。」


「挨拶かよ!」






ノーマのツッコミもなんのその。
グリューネはにっこりと滄我に微笑んでいる。







『この度のこと、力を貸していただけると言うのか…。かたじけない…』






滄我がグリューネに謝る声が聞こえたきがする。これは一体どういうことだろう?






次はクロエ。クロエは少し沈んだような顔で前に出た。






「私か…。私は人類とこうはつ人との和平を諦めるつもりはない。甘い理想主義と笑われるかもしれないが、私に言わせれば理想がなくてどうする、だ。
私が欲しいのは大沈下を止めるための、和平を探るための力だ。こんな私でも構わないと言うのなら、滄我よ、力を貸してくれ!」





クロエが目を瞑ると、彼女は光り出す。






「私に力を貸してくれるというのか。」





彼女は決意を言う前と言う後ではかなり顔つきが変わっていた。

自信がついたみたい。








次にセネルの爪から光が放たれた。






「オレはまだ、シャーリィに話してない事がある。…それをちゃんと話して、自分の気持ちを伝えたい。

俺はシャーリィを説得して、こんな事を終わらせたい!!」





セネルの体が光り輝くと、彼は満足そうに笑った。






「これが、滄我の力…。これならシャーリィを取り戻せるかもしれない。」









滄我はこの事に喜び、穏やかに波打った。
そして声が聞こえる。







『汝らに我が思い、託した』






私達は、この力を持つ者として、そうがの思いを果たさなければならない。
重い役割だわ…。






















「次はちゃんだね。」


「えっ?…ええ。」





ステラは気まずそうに返事をすると、俯いた。

そっか。
今はステラだし、私はもう聖爪術持ってるらしいし、何にも起こらないはずなんだ。








「私は…。」







ステラは気まずそうに顔をあげると、唇を噛み締める。














さんは無理ですよ。」


「ジェイ!!」













ジェイが思わぬ事を言った。



え、何故ジェイがそんなこと…。






「…。」






ステラは押し黙ってしまうと、手を堅く握り締めた。









 ― ステラ。


(何…?)


 ― 私が聖爪術持ってるって言えばいいじゃない。


(それじゃあ、ここで爪術を使えない事がちゃんと説明できないわ。)


 ― そっか…。


(それに、もしかしたら彼は気付いているのかもしれない。)


 ― え?


(私がじゃないことに。)










「ジェイ、お前は何故そんな事を言うんだ。だって今まで頑張って来たんだぞ。そうがに認められないなんてこと…。」







ウィルは私を庇ってくれた。
えへへ、ありがとうウィル。






「僕が言ってるのは違う意味で、ですよ。」


「は?何いっとんじゃ、ジェー坊。」


「…僕が言っているのは、あれがさんじゃないって事です。」


『え!?』











 ― ……、やっぱりわかってたんだ。


(ほんと、彼は鋭いわ。)


 ― だからって、中にステラがいるとは思ってないでしょ。


(…どうかしら?)











「どうなんですか、さんを演じてる方。」


「……。」


「あなたが名乗らないなら、僕が言ってしまいますよ。」


「っ……、私は、に決まってるじゃない。」






 ― ステラ!!


(どうにか誤魔化してみるけど、だめだったらごめんなさい。)


 ― ステラったら!


「私のどこがじゃないと言うの?」








ステラがそう言うと、ジェイは彼女から目を逸らした。








「まず纏っているオーラが違うんです。さんはもっと緩やかな空気と歩いている。
そしてさっきモーゼスさんが手を繋ぎたいっと言った時、さんなら即答しますよ。いいか嫌か。
でもあなたは間を置いて答えられなかった。」


「…。」


「それにあなたは話し合いの場から席を立つ時、僕が名前を呼んだ時即座に気がつかなかったんですよ。


 …それは自分の名前じゃないからです。」


「……。良く見てるのね。」






ジェイは溜め息をつくとステラを見た。






「ええ。痛い程に良く分かる。

見ていますから。」




(想われてるわねぇ。)


 ― え?


(…別になんでもないわ。)


「さぁ、どうしますか?」


「……。」


「…まだあなたは言う気になれないんですか?


では、僕が言ってしまいますよ?」



 ― ステラっ!


(いいのよ。もう仕方ないわ。)


 ―でも…





























































「…ステラ・テルメスさん。

あなたはシャーリィさんの姉のステラさんだ。」







『ええっ!?』






































































ジェイの発言に他の皆は驚愕していた。


そうよね。本当ならありえない事だから…。




































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バレちゃいました〜。ジェイって本当にすごいと思いますよ。その思考を見てみたいくらいです(笑)

それにしてもうちのステラは気が強い&潔い(笑)

2006/07/20