「勇気を出すのよ、。この扉の先には幸せが待ってるわ」
気配がしたのでドアを開けようとしたその時、このような声が聞こえ思わず笑ってしまった。
勘違いしないでほしいのだが、おかしくて笑ったわけではない。
ここに来るのが彼女にとってどんなに勇気がいることかわかっているし、私達の踏み出す第一歩だということもわかっている。
だからこそ、彼女の声に出した決意が嬉しかったのだ。
彼女に時間を与えようと静かにドアを閉め、紅茶の用意を始める。
先ほど持って来たお湯はまだ熱く、馳走するには十分だった。
しばらく経つと、小さくノックが聞こえた。
浮き立つ気持ちを抑え、ゆっくりとドアを開ける。そこには、頬を蒸気させたが立っていた。
「やっとノックをしたな」
「えっ?私がいるのに気付いていたのですか!」
「ああ」
「それなら声を掛けて下さってもいいのに!」
は頬を膨らませると、つんとして怒った。その姿も可愛らしく、愛おしい。
「すまなかった。今度からは声を掛けるようにする」
そう言うと嬉しそうに頷いた。そんな彼女の手を取り、椅子へと座らせる。そして用意した紅茶をすすめた。
はお礼を言うと、ゆっくりとカップを持ち上げて口に紅茶を含む。その姿は優雅な貴族を思い出させられた。
「アラン殿の部屋も、荒らされずにすんだのですね」
はふと部屋を見渡すと言った。
アカネイア軍に占領されていた城は所々荒らされてはいたが、流石アカネイアというべきか、殆ど無傷であった。
統制のとれた軍はそこが違う。賊に占領されていたならばこうはいかない。
「私の部屋には荒らすようなものはないからな」
「そんなことないです!素晴らしい兵法書ばかり!」
は立ち上がると、本棚に駆け寄った。そしてきらきらした瞳で並ぶ背表紙を見つめる。
「今では手に入れられないものばかりです。読んだことのない書がたくさん…」
「お前が望むならば、どれでも好きに読むといい」
横に立ち本を取ろうと手を出すと、そっと押さえられた。
を見下ろすと、真っ赤な顔で唇を震わせている。
「?」
「ごめんなさい。私から話を振ったのに……。違うんです、今日は兵法ではなくて……」
最後の方はもごもご言っていて聞き取れなかったが、言いたいことはその表情で理解出来た。
も、私と同じ事を望んでくれている。
ニヤけそうになった口を隠すように勢いよくを抱きすくめると、驚いた彼女は「きゃっ」と女性らしく声を上げた。
普段は絶対にそんな声を出したりしない。本当に女性らしくするのは、私の前だけだと豪語出来る。
そのままベッドに向かうと、そっとおろしてやる。そして、潤んだ瞳で私を見つめる彼女の額にキスを落とした。
「本当に、いいのか…」
は返事の代わりに、キスを求めてきた。
愛を確かめるように激しく舌を絡ませる。
何度も何度も繰り返す口づけだけでも幸福に浸るには十分だったが、互いにもっと先のものを求めていた。
一息吐くように「ふぅ」と言った彼女に微笑み掛け、その首筋に唇を当てる。普段でも髪に隠れるそこを強く吸い、跡をつける。
こんなに独占欲を掻き立てられる女性は初めてだ。
は私のものだ。
「んっ」
擽ったそうに首を竦めようとする彼女の肩を押さえ、首筋を沿って鎖骨まで舐める。
「んんっ」
甘い声を聞きつつ、少し肌蹴た服をゆっくりと脱がせる。
胸にあてられた布を外すと、柔らかに揺れる乳房が現れた。
「あ…恥ずかし…」
快楽に酔いつつあった彼女は、曝された胸元の寒さに覚めたようだ。乳房を隠そうと服を掻き抱く。
窘めるように彼女の手にキスをすると、理解したのか胸元から手をどけてくれた。
私も上着を脱ぎ、彼女の残された服を取り去って再び露わになった上半身を見て息をのむ。
大きな弓を持ち、男顔負けに強く張った弦を引く女性とは思えないほど、柔らかな肉の付いた体をしていた。
抱きしめた時に思ってはいたが、こんなに華奢だとは…。
「どうしたのですか?」
心配そうに見上げる彼女に、その二の腕を撫でて答える。
「こんな腕であの弓を引いていると思ってな」
「ああ…」
はくすくす笑った。
「弓を引くのに腕の筋肉はいらないんです。筋肉がついてしまったら邪魔なくらい。力に頼ったら、アーチャーはおしまいです」
「ほう」
「つけていい筋肉は背中ですね。私も背中には筋肉がありますよ……って、またこんな話…」
仕方がない。私達の共通な会話の一つなのだから。
そう思い彼女を見下ろすと、自然な笑みをたたえていた。
「緊張が解けたようだな」
「あっ…」
乳房の頂を口に含むと、張り詰めたように硬くなる。それを舌で転がしながら甘噛みすると、彼女の体がぴくんと跳ねた。
それを続けながら、もう一方の乳房をまさぐる。ちらりとを窺うと、必死に唇を噛み締めていた。
「んん…」
眉間に皺を寄せてに唸り、体をよじる。
これでは快楽も半減するし、辛いだろう。
「耐えなくていい。声を聞かせてくれ」
「は、恥ずかしくて…」
「ここには私しかいないし、私が聞きたいのだ。駄目か?」
そう言うと、は唇を引き締めて泣きそうになる。
何故そのような顔をするのか分からずに困っていると、は上目遣いで可愛く言う。
「ズルいです」
彼女いわく、そんな風に聞かれると自分の恥ずかしさよりも私の願を叶えたくなってしまうらしい。
「はっ…はぁ、んあっ…」
甘美な喘ぎが響く。
もっと気持ち良くさせようと蕾を弄ぶと、一層声が高くなる。
乳房を揉みしだいていた手を止め、ゆっくりと下腹部に移動させる。気づかれぬ様そっと茂みを掻き分け、割れ目の奥に中指を差し込んだ。
「んんっ!」
すると驚いた風にくぐもった声を上げ、喘ぎを止めてしまう。
胸元から顔色を窺うと、彼女はぴくりとも動かずに天井を見上げていた。
張り詰めた気持ちは彼女のソコから伝わってきた。
同じ様に張り詰めていて、一度弾いたらイッてしまうのではなかろうか。
「ああんっ!」
優しく触れると、彼女の緊張は一気に解かれ、今までで一番のイイ声が聞けた。
それに満足することなく、そっと何度も触れる。
「くふぅ…あ、アラン殿…」
「アランと呼んでくれ」
「アラン……わ、たし…んんうっ」
ビクビクと体を跳ねさせながら、潤んだ瞳で訴える。困惑も窺えたが、それはきっと初めてだからだ。
その奥に見える願いは、この快楽の頂点を味わうことだろう。
「ああん、もう、わたし…変っ…」
目尻からぽろぽろと涙を流しながら、頬を蒸気させ喘ぐ。両手はシーツを掴み、快感に耐えるように腰を浮かせた。
しなる肢体は美しく、私は高くそそり立つ。
逸る気持ちを抑え、に頂点を味あわせるようと茂みから指を離すと、彼女は名残おしそうに「あ」と溜息を吐いた。
「アラン…?」
心配そうに私を呼ぶ彼女に口づけ、そのまま茂みの奥に舌を這わせる。
「ああっ!や、そんなとこ舐め…ああっ!」
閉じようとする膝を押さえ、泉から上へと一気に舐め上げる。
すると抵抗は止み、快感を受け入れるように両足に力が入った。
愛液を吸い、張り詰めた肉芽をつつく。
「ああ!う、あああ!」
喘ぎも叫びに代わり、これ以上焦らしても耐えられそうにない。
そう思い、イかせてやろうと肉芽を舌で掻き回して強く弾く。
「んあああぁぁぁっ!」
叫びと共にの体は大きく跳ね、小刻みにビクビクと痙攣する。
しばらくして脱力し、長い吐息を吐いた。
「私…」
真っ赤な顔を両手で覆い、今起こったことを思い返しているようだった。
たまに恥ずかしそうに目をつむり、そしてもっと真っ赤になったりと見ているだけで面白い。
私はベッドから離れ、飲みかけの紅茶を一口飲んだ。そしてもう一口含むと、ベッドの上で横になっている彼女に口移しで飲ませた。
驚きながらもコクンと飲む行動に満足しながら、耳元で囁いた。
「いいだろうか」
はハッとして私を見ると、ゆっくりと腕を首に絡ませた。
小さな声で「お願いします」と呟く。
全ての服を脱ぎさり彼女の前に膝立ちすると、はそそり立つ私を見て息をのむ。
恥ずかしく感じたが、もうそんな仲でもない。
「辛かったらすぐにやめる。だからちゃんと言ってくれ」
「はい…」
緊張で強張っている彼女の体はほぐす必要があると思い、背中に手を回して抱きしめた。
生身の体で抱きしめ合うのは初めてだ。触れた場所全てから彼女の温もりが伝わってくる。
肌は滑らかで、柔らかな乳房が胸に当たり、一層私は大きくなった。
それが当たったのか、は鼓動を大きくしながら体を擦り付けてきた。
うまい具合に擦れ、快感が走る。
「、愛している」
こんな時に口走るべきではないのに、快感がそうさせた。
これでは、愛しているから入れさせてくれと言っているようなものだ。
しかしは荒い息遣いで私にキスを施し、体を擦り付けながら言った。
「私も愛してます。あなたと、一つになりたい…」
私のモノがを荒い息遣いにさせその気を持たせているのかと思うと、もう我慢がならなかった。
の中にいれたい。
悦ばせたい。
どんどん膨らんでいく。
彼女を強く抱きしめ、深いキスをする。
そして静かに腰を上げ、の泉に挿入した。
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書いている私もドキドキです。
何度も照れながら読み直しちゃいましたっ
2011/04/16
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