これって、どうなのかなぁ〜。
私、本当はもう25歳くらいだよね??でも、見た目は15歳のままだし…。
自分でも変な感じ。
周りのみんなは、どんどん大人になっていくのに私だけはずっとそのまま。
オレイアスには子供も出来て、もう4、5歳くらいになる。
そのうち、追い越されちゃうんだろうなぁ。
「あ、」
「ルーシー」
自室のバルコニーからぼーっと外を見てると、隣部屋のルーシーが声を掛けてくれた。
その上、危険を犯して手摺りから飛び移ってくる。
「ちょっとルーシー、危ないよ!」
「平気よ、このくらい!」
彼女はドレスをひらひらさせながら、私のバルコニーへと足を下ろした。
「お待たせ」
うーん、待ってたわけじゃないんだけど。まあ、いっか。暇だしね。
「、何して遊ぶ?」
…その姿で、何して遊ぶとか 聞かれても全然説得力ないよ。
だって、ちょうど年頃な彼女。
目がぱっちりして、明るくて、凄くカワイイ。ピンクのつやつやな唇が、ぷるんとはじけてる。
そして白い絹肌がきらきらして美しかった。
「どうしたの?」
「あ、ううん、なんでも」
ルーシーの可愛さを考えてたら、ちょっと自分が変態になった気がしちゃった。
「じゃ、どうす……」
「ルーシー!」
何をしようか考え出すとこで、スーザンのルーシーを呼ぶ声が聞こえた。
隣の部屋に向かって名前を呼んでる。
「ああ!スーザンとティータイムの予定だったんだわ!」
ルーシーはそう叫ぶと、一目散にドアへ駆け寄る。
そしてギイイと開いて廊下へ出た。
「スーザン!」
「ルーシー、の部屋にいたの?ちょうどいいわ。三人でお茶しましょ」
スーザンはそう言うと、お手伝いさんにお茶の用意を頼んで部屋に入って来た。
百合模様の円卓に座ると、私達はフレーバーティーを口に含んだ。
この三人だけで話すのは久しぶりなの。
だって、スーザンたら恋の話ばかりするんだもん。
ルーシーはそんな話には興味ないみたいだし、私はみんなと立場が違うから恋してもしょうがないし…。
でも、スーザンは色々な国からお見合いの話がたくさんくるんだよ!だって、すごく美人だもん。
この世界でも有名な美人さんだから、ひくてあまたなんだけど、候補が多すぎて決められないみたい。
だからこうやって話し合いの場がありそうなもんだけど、ルーシーは興味ないからすぐそっちのけになっちゃうみたいで、スーザンとそういう話をするのは、専ら私の仕事になっていた。
「ルーシー、あのことなんだけど」
「いやあよ。私は男の人に興味ないもの」
「言ってくれるじゃない」
「私はタムナスさんとか、ナルニアのみんなとお喋りしたり、散歩したりしてる方がいいの」
「そう。だからこの前お城を抜け出してタムナスさんのところに言ったのね」
言い合いが始まって数分。
スーザンがつんとした態度で言った。するとルーシーは頬っぺたを膨らまして対抗する。
「いいじゃない、友達なんだもの」
「女王が聞いて呆れるわ」
スーザンは女王なのだから軽々しくお城を出るのをやめなさいっていいたいみたい。
でもつんけんしてて、ちょっと辛辣に聞こえる。
「なによ!は遊びに行ったりしてるのに、なんで私はだめなの?」
ルーシーはテーブルをバンと叩いて立ち上がる。
その反動で紅茶がカップから零れた。
とうとう引き合いに出された私は、オロオロするだけ。
だって、私がとめに入っても、大人な体の二人には敵わないんだもん。すぐに弾かれちゃう。
「は女王じゃないでしょ!」
「でも、言えば私達よりも大切な人じゃない」
「そうよ。でも、は全てを見守る使命があるの。ルーシーはないわ。ナルニアの女王なのよ」
「そんなの、わかりたくない!」
ルーシーはそう叫ぶと、派手な音を立てて部屋を出ていってしまった。
私は溜め息を吐くスーザンの元へといく。
「ねえ、。私のどこが悪かった?」
「うーん、ちょっと辛辣だったかなぁ」
「そう。でも、あの子もわかってるみたいね」
「うん。だから忍んで行くんだよ」
「ええ…。それはわかってるのだけれど」
スーザンはもう一度溜め息を吐くと立ち上がった。
「私、部屋に帰るわね」
「うん」
「引き合いに出したりしてごめんなさい」
「いいよ。大丈夫」
スーザンはぐったりした表情で部屋を出ていった。
私はルーシーが気になったので追い掛けることにする。
きっと彼女が向かったのはあそこしかないと思いながら、遠出の支度をした。
乗馬…久しぶりだなぁ。
馬を見て思う。
乗馬が久しぶり、はある意味間違ってるかもしれない。
だって、よくヘラクスの背中には乗るもんね。
でもヘラクスは馬じゃなくてセントールだから、乗馬って言葉は失礼かもしれない。
自分では出来ないので、ジョージに言われながら鞍をつける。
あ、ジョージって今から乗る馬のこと。
馬に乗るために馬に鞍の付け方を教わるって変な感じだね。
「お嬢さん、本当に泥棒ではないね?」
「泥棒じゃないってば」
ジョージは私の事を知らなくて、馬泥棒と勘違いをしていたの。な
んとかそれを宥めて鞍を付けると、やっとこさ背中に乗せてってくれた。
「私はここが気に入ってるんだよ。だからここに戻ってきたいんだ。わかるね?お嬢さん」
「わかってるってば。私もここに戻ってきたいもん!」
ジョージはくどくどとうるさいお馬さんだった。
背中に乗せてもらっても、走りながらナルニアの素晴らしさをずっと語って舌を噛む始末。
というか、馬も舌を噛むんだね。
「フォーンのタムナス氏の家はこの辺りだろう」
長い時間といっても一、二時間くらいかな、何たってジョージはまだ若馬だから早く走れるの。
辺りを見回すと、可愛い木の扉が見えた。
タナムスさんの家に来るのが初めてだけど、絶対そこが彼の家だという核心があった。
「ジョージ、ここで待っててくれる?」
「どうですかね」
こともあろうにこの馬は、まだ私のことを疑ってるみたいだった。
失礼しちゃうよね。
「そんなこと言うと、繋いでくよ?」
「なっ…」
「オオカミが来ても、逃げられないよ?いいの?」
「……わかりました。待っていますよ」
ジョージはそういうと、目の前の草をはみだした。私はそれを見届けてタナムスさんの家のドア前に立つ。
すると、
「大丈夫?タムナスさん」
「大丈夫です、ルーシー」
そんな会話が聞こえた。
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年齢がいっても、ルーシーは好奇心いっぱいで、恋愛に興味を持たなそうですね。
そこが現実的なスーザンとの違いだと思います。
きってこんなケンカもあったはず(笑)
2008/07/30
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