「私も行く」
きっぱり言うと、やっぱり困ったような表情を向けられた。
私達は作戦会議でテルマール城に夜襲することに決めたんだ。
ピーターとエドマンドが夜襲を提案する中、カスピアンとスーザンが籠城を推したんだけどピーターの意見が尊重された…
と言うか、黄金時代を担った一の王として意見が尊重されたと言うか…ね。
ルーシーが言った「白い魔女を本当に倒したのは誰か」はアスランの帰還を信じてないピーターに却下されちゃって、
だから夜襲の綿密な作戦を今練ってるところなんだ。
「私も行くから」
もう一度言う。
私がいつも危険なことをする時は絶対反対される……ピーターにね。
だから今回もぎゅっと目を瞑って第一声に耐えようとしたんだけど―。
「好きにすればいい」
ピーターの返答は思ってもみないものだった。
「え…今なんて?」
「好きにすればいいって言ったんだ」
「嘘!?ピーター本気なの」
「ああ、スーザン」
私よりも驚いているスーザンは目を見開いてピーターに問う。
彼はそんな妹を一瞥して冷たく答えた。
「信じられない…」
隣でエドマンドが呟く。
私もそう思う。今までピーターが私に危険なことを許してくれた試しがないのに。
「僕は反対だよ、。君はルーシーとここで待っているべきだ」
エドマンドははっとすると私を見て言った。
ピーターが反対しないとエドマンドが反対するんだ。
「どうして?私も行くよ!」
「ダメだよ!君が行くこと自体危険だ」
「なに、その言い方!!!」
「どんな言い方をしてもいい、でも絶対に反対だ」
反対される理由が納得出来なくて、エドマンドにくってかかるけど、いつの間にか背が高く力強くなってしまった彼には敵わなかった。
私がほっぺたを膨らませて引き下がると、エドマンドの隣にいたカスピアンが不思議そうな表情で言う。
「エドマンド王、何故君はが行くことを反対するんだい?」
「何故ってそれは、は危険なことに自ら突っ込んでいくからだよ」
「…それをさせないための作戦だろう?それに、はリーピーチープと共に武器奪還の切り込み役で活躍したんだよ」
カスピアンがそう言うと、会議を静かに聞いていたリーピチープが「光栄です」と胸に手を当てた。
「カスピアン!君、にそんなことさせたのか!?兄さん!」
エドマンドは非難がましくカスピアンを見た後、ピーターに目線を向けた。
通常だったらここでピーターの文句が入るところなんだけど…
「……」
彼は何も言わなかった。
エドマンドは大げさと思えるくらいな溜め息を吐くと「でもダメだ」となお反対する。
だから私も自棄になって「変装してでも絶対行くから!」と言うと、ピーターがバンッと割れている石舞台を叩いた。
「本人が行くって言ってるんだ!それならそれでいい!!!」
周囲に有無を言わせぬような迫力で言う。
私にはその方が都合がいいけど、いつものように行くことを反対されないとなんか変。
ピーターったら、ホントにどうしちゃったんだろう?
「兄さん…」「ピーター…」
エドマンドとスーザンが同時に呟く。けどピーターは聞こえなかったかのように踵を返すと、
「支度するんだ」
そう言い残して出て行ってしまった。
私は彼の言葉に小さく返事をすると、カスピアンと目を合わせて「頑張ろう」とお互いを激励した。
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2010/08/28
83話