ちゃん後ろ!!」



「はいっ!」






ノーマに声を掛けられ、間一髪でヴァーツラフ軍の攻撃を避ける。


そしてが避けたところで、セネルが後ろから拳を繰り出す。

それでもしぶとく攻撃を続ける敵軍に、ウィルとノーマがブレス攻撃をして蹴散した。

見事な連携プレイである。






「ありがとうございます、ノーマ。」



「いーよいーよっ!」







ノーマは嬉しそうに言うと、の腕を掴んだ。






「さ、いこーっ!!」

「はい!!」






彼らはジェイに指示された通り、ヴァーツラフ軍本陣を右に迂回して進んでいた。
それにも関わらず、敵軍は彼らを襲って来る。






「結構迂回して来たのに、敵がたくさんいるな。」


「ああ。敵もそれだけ必死なんだろう。」






セネルの呟きにウィルはそう答えると、「!」と呼んだ。




「何ですか?」




が彼に近付くと、彼は深く頷く。




「ちゃんといるか確認しただけだ。」




「あら。ウィル、心配していただいてありがとうございます。」









前線基地の出来事の後から、ウィルは事あるごとにの名を呼ぶ様になった。
それは別に用があるわけでは無く、ただ存在を確かめているだけ。
で嫌がらずに毎回ちゃんとお礼を言っていた。






はノーマと同じ扱いじゃの〜。」




モーゼスが楽しそうに言うと、ノーマがひょっこり顔をだしてニヤリと笑う。




ちゃん、心配され同盟でも作ろっか?」




すると、ウィルがノーマの横に素早く移動して、




「作らんでいい!っ!」





と拳を奮った。



























「ふふ。」





― 戦いの中で、このような一面があるとこんなにホッとするんだわ。




は思う。


自国で戦っていた時は、一緒に行動して、同等の扱いの助け合う仲間なんていなかった。



― いつも一人で、がむしゃらに戦ってたわね…。



は昔の事を思い出すと、悲しくなった。

















― いえ、でも最後に戦った時はあの人がいた。
   …あの人がいたから、私は生きている…。













、ぼーっとしていると危ないぞ。」




「あっ…ごめんなさい、クロエ。」




「いや…。」

























は遠くから聞こえるさまざまな叫び声を耳にした。


同盟軍の者達の声、ヴァーツラフ軍…自国の軍の声。その声はぶつかりあって、やがて武器が擦れ合う音にかき消される。



今戦っているのは、私の国の民達。
そして一緒にいるのは、大切な大切な仲間達。





そう思うと、胸が苦しくなる。





そして、実際それが行動にも出てしまっていた。

仲間達を守りながら戦い、敵が攻撃を仕掛けて来てもとどめを刺さない。
どうにか動け無い様にすると、あとは他の仲間に任せる。








― どうしても、できない。







でも。






― きっと仲間が危険に曝されれば、私の民を殺すでしょうね。







自分は、何よりも自分の気持ちが一番になってしまう。そう考えると、自分もヴァーツラフ兄様と同じなのではないかと思う。


全てが意味のないものではないだろうか。


そう考えてしまう。















「なぁ、。」




「ん?何ですかセネル。」




「俺達、自分が信じる道をがむしゃらに進んで行けばいいんじゃないか?」




「!!」




「なんかさ、色々考え込んでるみたいだったから。
はさ、きっと俺よりクルザンドにいただろうから、こうやって戦ってる中にも知り合いとかいるんじゃないかと思って。」




「セネル…。」




「迷ったらやっぱり、自分が一番信じているものに向かっていけばいいんじゃないかな。
それで間違えたら、自分で修正すればいいんだ。」




セネルは照れた風に頭の上で腕を組んで背伸びした。





「な?」



「…ありがとう、セネル。」



は目を細めて、セネルに優しく笑った。




「え、、今ありがとうって…。」































「キューーーーッ!」





「キュー?」




後方から不思議な泣き声が聞こえて来た。


「な、なんか聞いた事ある様な声がするんですけど。」



「ノーマ、後ろから何か来る!」



「…クー、あれって…」



「ああ。」



「キューーーーッ!」





彼らの目の前に現れたのは、ふわふわの毛に円らな瞳のモフモフ族のキュッポとポッポだった。




「キュ!」




二人は可愛らしい手をぴっと挙げ、彼らに挨拶する。




「お前ら、何してるんだ?」



「頑張ってるキュ!」




セネルが聞くと、彼らはそれだけ言ってまた走って行った。




「待って!!」




それにが素早く着いて行く。




「待て、!!」




ウィルが慌てて止めようとしたが間に合わず、彼の声だけが空しく響いた。








































「キュッポ、ポッポ、どうしてあなた達がいるの?」



さん!」



「ポッポ達も戦いに来たんだキュ!」



彼は勇ましく手を胸に当てた。



「ジェイはそうしろって……・・・言ってないでしょう?」



キュッポは俯くと、




「言ってないキュ。」




「でも、キュッポ達だって戦えるんだキュ!」



「でも…。」




が困ったような顔で答えると、ポッポがもっと困った事を言った。











さん、ポッポ達追いかけて来たけど、ポッポ達敵に追いかけられてるんだキュ。」




「え!?」




「そうなんだキュ。セネルさん達とも別れてしまったけど、大丈夫だったキュ?」





は更に困った顔になると、



「どうしましょう…。」



と呟いた。












***********



モフモフ♪
彼らをどんなに抱き締めたい事かっ!
私も一人欲しいくらいです。(きっと皆さん同じ事を思っているでしょうね☆)
セネルは敬語使わなかった彼女に少しビックリ。
手をぴっと挙げて挨拶するモフモフ欲しい!!!!!!

次ももう少しモフモフと絡めて、ジェイ登場!!のハズ(笑)


2006/05/17


20話へ