「ワルター怒るかしら…。」







迎えに来るって言ってたワルターを無視して、(無視したわけじゃないんだけど)私は先に輝きの泉に来ていた。









「きっと、私が部屋にいないのに気付いてここに来てくれるよね…。」








私は少し心配になる。






早起きしたから誰にも会わずにここまで来れたけど、いざ帰る時はそうはいかないし…ワルターに家まで送ってもらうようにしないと仲間の誰かに会ってしまうのが怖くてここから一歩も動けなくなっちゃう。












じゃあ何故一人でここまで来ちゃったかって?





久しぶりに一人で外を歩きたかったから。朝だったら誰にも会わないと思ったの。

























































「やっぱり、ここは癒されるなぁ…。」








私は水に手を入れた。






「冷たい…♪」






その冷たさが気持ちいい。

私は一人でくすくす笑いながら腰を降ろした。

















































「ん〜♪」








気分がノッてきてハミングする。



こんなに楽しく思えるのは、ワルターのお蔭だわ。
感謝感謝!
















「ん〜♪」
















「くかーっ」






























「ん〜♪」















「くかーっ」























…くかーっ?






























くかーっ?
これ…イビキじゃない?誰かいるの!?









私のハミングに合わせて聞こえるイビキ。私はその主を探して場を見回した。



















































「きゃあっ!!」







「うぇっ!?敵!?」









イビキの主を見て、私は思わず声をあげてしまった。

だってイビキをかいてるのに、死んだように寝てるんですもの!!












「敵っ!どこだ!?」













イビキ主は、腰に差していた剣を抜くと構えた。











「どこだ……









……敵?」









彼が「敵?」と言った時、目が合ってしまった。





彼は私を見て口をあんぐり開けると、剣を持っている手をダラリとおろした。












「あの……。」











「………。(じーっ)」












「えと……。」












「………(じーっ)」













「ごめんなさいっ!!」













何も言わない彼を見て、どうにかなっちゃったんじゃないかと思ってとりあえず謝った。
彼はそれに気付くと口を閉じて剣を鞘に収める。













「いや……敵じゃなかったんだね。」







「私、あなたを見て……あまりにも…死んでるみたいだったので、驚いてしまったのです。」







「そうだったんだ。ごめん、びっくりさせちゃって。」







「いいえ…」
















彼は鮮やかな緑の髪の毛を頭の高いところで一つに縛り、モーゼスの様に寒そうな格好をしている。


あ、でも上着みたいのを着ているから半裸の彼とは違うわね。















「私はと申します。」






「オイラはチャバと申します。」










……










「からかってますか?」









私が膨れると、チャバはくすくす笑って









「死んだように寝てるって率直に言われた御返しだよ。」








と言った。
私は顔を赤くして




「…ごめんなさい。」



と謝る。


率直に言いすぎたみたい。私、昔よく率直すぎるって言われたものね、直さなきゃ…。









「あはは、いいよ。それより、その堅苦しい話し方やめようよ。…友達とかと話す普通の喋り方でいいって。」






「(友達…?)あ……はい。えーと、チャバはここで寝てたの?」





「うん。」





「……。」





「…話終わっちゃったね(笑)じゃあさ、逆にオイラが聞くよ?」







私がうまく続けられないのを、チャバはうまく続けようとしてくれた。
私はこくこくと頷くと、質問を待つ。








ちゃんはウェルテスの街に住んでるの?」




「はい。マダムミュゼットの家にお世話になってるの。」






チャバは「あの大豪邸かぁ。」と感心する。
私はというと、顔を真っ赤にしてドギマギしてた。ちゃんなんて、ちゃんづけされて呼ばれるの初めて!…結構照れるかもしれない…////。







「じゃあ、ここには何しにきたの?」





「泉を見に来たの。」





「そうなんだ!この泉、きれいだもんね。」






チャバはにこにこ笑顔を振り撒いた。






その笑顔があまりにも自然で、見ているこっちの心がほっこりなる。








「チャバの笑顔って癒されるね。」






「////…そうかな?」






チャバは照れ顔で頭を掻いた。
私はちゃんと信じてもらいたくて力強く「私は癒されたわ!!」と言った。






「そう?良かった!」





彼が嬉しそうに笑うと、私はまた癒された。


























「おっと、そういえば今何時かな?」





「えっ…たぶん…8時頃だと思うけど…。」





「ええ!?もうそんな時間なんだ!やばっ…アニキに叱られちゃう…。」





「?」





「ごめんちゃん!オイラもう行くよ。」






チャバは慌てて立ち上がった。






「明日、会いに行ってもいいかな?」





「えっ?」





「ミュゼットさんの家まで、会いにいっていい?



……その…もっと話したいんだ、ちゃんと。」







チャバはそう言って赤くなった。







「私と、友達になってくれるの?」






私は嬉しくなって聞き返した。するとチャバはくすりと笑って、







「名乗った時からもう友達だよ!」





と言う。







「そうね…そうよね!!明日、是非来てね。私の得意な歌をお聞かせするわ♪」





「本当!?ありがとう!!楽しみにしてるよ。」









チャバは大きく手を振ると、








「ばいばーい、また明日!!」







と言って走って行った。
























































嬉しい!!!





友達だわ…。友達が出来た!!!!






「友達なんて…初めてかもしれない!!!」







思えば仲間は出来たけど、友達なんて初めてな気がする。
もーっ、顔がにやけちゃう…。







「アイタッ!!」








私がニマニマしていると、後ろから頭にチョップを食らった。









「なーにー?あっ…ワルター!!」








そこには恐い顔をしたワルター。


あわわ、勝手にここに来ちゃったことを怒っているんだわ。



と思ったら、












「なんだ、あの緑色の奴は!?」








…緑色の奴……?あ、







「チャバの事?」





「チャバだかチャボだか知らんが、なんであんな楽しそうに貴様とっ…」





「私と?」





「あっ…いや、なんでもない!!!気にするな!!!」





「?」







そんなに否定すると、ますます気になっちゃうじゃない。ねえ?







「気になるんだけどなーっ、ワルター?」





「気にするな!ボケ!」





「ボケ!?ボケって何よー!もー、ワルターのバカッ!」





「何!?貴様、俺のことを馬鹿にしやがって…」




「むー!最初に言ったのはワルターじゃないの!」





「…貴様など知らん!!」





「私も、ワルターなんて知らないっ!!」




















「……。」








「……。」






















「……くく、」




「…ふふ…」









『あはははは・・・!!』











私達は吹き出すと、お互いの顔を見て笑った。











「ワルターも笑うのね。驚いた!」





「当たり前だ。それより、貴様があのような言い合いをするとは思ってもみなかったぞ。」





「あら、私だって人の子ですからね。言い合ったりしますよーだ!」





「気を悪くしたか?」





「全然っ!!」









私は、心配そうに私を見るワルターに笑いかけた。












「しかし、は前より今の方が人らしいな。」





「え?」





「前は、人形のようだった気がする。」





「私、人形みたいだったの?」





「ああ。今みたいに大声で笑ったりしなかった。それに、元気で生き生きしているとは言い難かったな。」





「そう…なんだ。」





「それよりな、あの緑色の奴は何なんだ?」





「ああ、彼は私の初めての友達よ?」





「初めて……?」





「うん!だって、セネル達は仲間でしょう。シャーリィとフェニモールは妹。ステラは友達を通り越して親友!」






私がそう言うと、ワルターは俯いて呟いた。







「……俺は…(ボソ)」





「ワルター?…ふふ。」





「なんだ!?」







私が含み笑いをすると、ワルターはキレました(笑)それをどうどうと宥めて、私はにっこり笑いかけた。











































「ワルターは特別なの。







ワルターは私の生きる支え。








とっても大切な人なの。」























































「……/////////////」








ワルターは一気に赤面すると、右手で顔を覆った。







ありのままを言っただけなんだけど…?どうしちゃったのかしら。







































「あ、そうだ。私が前より人らしくなったのはきっと、ワルターのお蔭だと思うわ。」








「…?」








「今の私の笑いとか、楽しみとか、幸せとか…全部、ワルターが私にくれたんだもの。」








「俺が?」








「うん!!ダメになってた私を引っ張り起こしてくれたのがワルターなの。だから私、ワルターに感謝感謝♪」



























ワルターは一瞬驚いたような顔をしたけどすぐ、今後絶対見れないようなはにかみ顔で笑った。


































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チャバ絡みの様な、結局はワルター絡み(笑)

【今回やりたかった事。】
・チャバの寝ぼけ。
・チャバヒロインと目が合う。
・チャバと普通に話す。
・ワルターにチャバを緑色の奴と言わせる。
・ヒロインとワルターの言い争い。
・ワルターのはにかみ。
→うわーい、全部クリアーッ♪(詰め込み度UP!)

ヤキモチワルターも可愛いわ♪
ワルター相手は純粋な少年少女が書ける気がする!!!

2006/06/17




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