「シャーリィ!」








「シャーリィだって!?」








「この光り方…まさに輝く人…。」



























































私はシャーリィの前でへたりこむと、彼女を見上げた。

その威圧感は凄まじく、私は何度も彼女から目を逸らしたいという衝動に駆られた。















悲しみが、私の心を支配していく。
これは、私とステラの悲しみだけではない。










…他の誰かの…。





























(ステラ…)












 ― …なに?













(ごめんね。)












 ― …ううん、私こそ…。




















私は何も出来なかった。私は、シャーリィのために何もしてあげられなかった。


自分はあまりにもちっぽけだと、改めて胸を突いた。





































そんな時、彼らはやってきた。
優しくて、強い…私の仲間達。




















「シャーリィ、一体どうしたんだ!?






……ッ…フェニモール!?」












「うそ…。何でフェモちゃん倒れてんの!?……ねぇ!」











「それに……さんも血だらけですよ。」














皆はフェニモールの横にいる私を見ると、驚いた。
















「何でがここにおるんじゃ!?」










「それより、怪我したのか!?今、回復ブレスを!!」









今の状況のせいか、皆がとても優しく感じた。


















































「皆……フェニモールは、死んでしまったの。」








私は冷たくなったフェニモールを膝の上で抱き締めた。
フェニモールの暖かみも、鼓動も聞こえない。















 ― 彼女は海に……帰ったわ。








(ステラ…。)













すると、ワルターが私達の前に出て来てセネル達との間に立ちはだかる様に立った。

















「そうだ、フェニモールは死んだ!貴様達陸の民のせいでな!








「死んだ…?フェニモールが死んだ…。」















セネルは信じられないというような顔でワルターを見た。















「これ以上貴様達の好きにはさせぬ!!…メルネスには…近付けさせん!!」













ワルターの叫びを聞いて、ガドリア軍隊長の存在に今気付いた様にクロエは彼を見た。

















「あれは一体どういうことだ!!貴公らは罪もない人々を殺めたのか!!」









「あいつらは人ではない、化け物だ。あの光っているのを見ればわかるだろう。」












ガドリア軍隊長はそう言ってシャーリィを見た。
セネルはその言葉に目を見開くと、



















「今、何て言った…。」




















と怒りを露にする。すると、ガドリア軍隊長はクロエに向き合って威張る様に体を後ろに反らした。














「クロエ・ヴァレンス!命令である。シャーリィことメルネスを討ち取れい!私は国王陛下より全権を委任された。私の言葉は陛下の言葉なるぞ!!」








「くっ…!」













クロエは騎士だから、忠義に逆らえない。
でも正義の塊だから、シャーリィを討つことも出来ない。













こんな…ガドリアのなんと横暴なことか!!













でもきっと、クルザンドも同じなのでしょうね…。












でも、でも!!私はこの世界に生きる一人の人として…この男の態度が許せない。
























「化け物…化け物ですって…?クロエに、シャーリィを討ち取れですって!?





私、あなたの横暴な態度を許すことが出来ません!」




















私はフェニモールを地面にゆっくり横たわらせると、立ち上がって彼の方へと歩いて行く。





そして、私の行動に驚いているガドリア軍隊長に右手を挙げて平手打ちをかまそうとした。






















































「ぎゃああっ!」
















でも、私が平手打ちをする前にセネルが彼を殴り飛ばした。
























「俺は、俺はシャーリィを化け物だなんて思わない!!シャーリィは、俺の妹だ……!!」






















「セネル……。」











「だろ……?」
















私は嬉しくなって、何度も何度もセネルに頷いた。














































































「…うるさい。



私をその名で呼ぶな……。」



















































その時、シャーリィとは思えないような声が聞こえて来た。
私達はハッとなって彼女を見る。










でも喋っているのは、まぎれもなくシャーリィだった。

















「シャーリィ…?」












 ― 、シャーリィは違うのよ。
   もう、あの子は今までのシャーリィじゃない。





   










   メルネスなの。
































「そんな………っ………シャーリィ!」










「私をその名で呼ぶなと言っている。私はもはやその男の妹を演じていた私ではない。」









「バカなこと言うな!何があろうと、シャーリィはシャーリィだ!!」









「…だまれっ!」









「ぐああぁぁっ!」










「セネル!!」














私はシャーリィに吹き飛ばされたセネルの元へ駆け寄ると、彼の上半身を抱き上げた。
















「だ…大丈夫だ…。」










「大丈夫じゃないです。ノーマ、ブレスを!」











「……。」










「ノーマ!!」













何も答えないノーマに苛立ちを覚えると、私は彼女を見た。



ノーマの目は、シャーリィに釘づけになっている。
私はノーマからシャーリィへと視線を移す。









すると彼女は、先ほどの姿から変化していた。



















「リッちゃんに羽が…それに、ワルちんの髪がリッちゃんみたいに青く…。」








「マウリッツもじゃ!!」

















彼らの叫びを聞いて、私はワルターとマウリッツ殿を見た。

彼らの髪はシャーリィと同じように青く輝いていた。
















「これが、煌髪人…。」









ワルターもマウリッツも、普段には見られないような神々しさを発していた。
シャーリィも、考えられないような神々しさと威圧感を発している。













…水の民は、私達陸の民と違う…?









 ― 違わないわ。あれが私達なの。陸の民だって、色々あるでしょう?
   少し違うだけ。同じ人間よ。










(…そうよね、ステラ。)































「お前達に滄我の恩恵は必要ない。返してもらおう。」









シャーリィはスッと手を挙げて私達の方に向けた。



















すると体の中から力が抜け出ようとする。
しかし、ステラがそれを止めようとしているのもわかった。
















(ステラ、何をしているの?)












 ― シャーリィが滄我の恩恵を取ろうとしているの。
   これを取られたら、爪術が使えなくなってしまうわ!!










(え!?)










 ― だけでも、爪術を…!





























「何?この感覚…。全身の力が抜けるような…。」






「シャーリィ、俺たちに何をした!?」






「答えろ!シャーリィ!!!」









ノーマはぺたりとその場に座り込み、ウィルは大きなハンマーを立てて寄りかかった。
クロエは辛うじて立っているけれど辛そうな顔をしている。


























































「世界をあるべき姿に還すこと。それが、滄我の願い。」


















































「そんなこと…そんなことない、シャーリィ!!」














私の言葉が聞こえないのか、それを無視するかのようにシャーリィは私達を真っ直ぐ見据え、決意を表している。














「自分たちの犯した罪の重さ、思い知るがいい!!」























シャーリィの言葉を合図に、ワルターが立ちはだかった。











































「貴様達はここで死ね!」















































ワルターは怒りの顔をしていた。
いつもの顔ではない。



















私に、「自分を頼れ」と言った優しい顔じゃない。
















それはきっと、陸の民全員に向けた怒り。
そこには、私も入っているのだろう。
























































「ワルター…?」













「……。」












「何で、答えてくれないの?」











「……。」











「ワルターっ……!!!!」












「……お別れだ、!!」













「!?」














ワルターはそう言うと、私達に向かってきた。
































































ワルターは今、何て言ったの?
















お別れ?














……じゃあ、私は誰を頼るの?
あの言葉はそんなに軽いものだったの?













































私、どうすればいいの!?





















































 ― 、爪術で皆を守って!






















「……。」
























 ― !!!




























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マウリッツとかの台詞端折りました(笑)
ちょっとセネルがカッコよく…♪

ワルター、ヒロイン裏切る!?


2006/07/02



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