「…………
…私、足手まといですか?」
「そ…そそ、そんなことないぞ!のお蔭で助かっている!!」
「そうじゃ!居るだけで和むしのぅ?」
「…それって、役立たずじゃないですか。」
クロエなんて吃っちゃっていますし。モーゼスの理由はよくわからないですし。
…はぁ、何で私だけ爪術使えないのかしら?
― それは、ここが外の滄我と違うからよ。
(え、違うの?)
― ……。
ステラは突っ込んだところまで話してくれない。
きっと、私達自身で知らなければいけないことなのだと思う。
それにしても、私はかなりの足手まといになってる。戦闘に入っても、横から矢を飛ばすだけで大ダメージを与える事ができない。
「確実に足手まといですね。」
「うう…。」
ジェイにきっぱり言われた。
「足手まといでも、皆に絶対ついていきますからね!!」
「どうぞ、ご勝手に。」
ジェイはそう言うと、ひらりと身を翻してスタスタ歩いて行ってしまった。
「ちゃん、頑張りましょう!」
「ええ!ありがとうグリューネ!!」
「どういたしまして。」
グリューネはそう言いながら私を抱き締めてくれた♪
ふかふか〜♪
(皆の態度が柔らかくなったと思わない?)
― そうね。きっと、同じものを目指すからでしょう?
シャーリィを助ける気持ちが、皆を一つにしたのよ。
きっと、そうだわ。
(ステラ…)
― 良かったわね、!!
(本当!この戦いが終わっても、この関係が長く続くといいな。)
― 大丈夫よ、なら!
(うん!ステラも、ずっと仲良くしようね。)
― …えぇ、もちろん!!
「、大丈夫か?」
皆の後ろについて歩いていると、セネルが私の隣りまで下がって来た。
「えぇ、大丈夫です。ごめんなさい、私だけ爪術使えなくて。」
「いや、のせいじゃないし。俺達は大丈夫だから気にするな。」
「ありがとうございます、セネル。」
私がペコリと頭を下げてお礼を言うと、セネルが何か呟く。
「………ワルターには普通に喋るのにな……。」
「え?」
でも私には全然聞こえないような小さな声だったので、聞き返すと、
「いや、なんでもない。」
と言って、セネルはフイと顔を逸らした。
「セネル…?」
私達がしばらくこの静の地を探索することにして一時間ほど経った時、ある建物の前に着いた。
それは、大きなモニュメントのようで、地上では見た事ないような形をしている。
「…なんだかあたし、ここ知ってるような気がする。」
「お前もか!?」
「お前もって…セネセネも!?」
彼らはそう言うと、意気投合したようにモニュメントについて話出した。
でも、私はここのイメージが頭に浮かんだ事はない。
私、やっぱり皆と違うのかしら。
それってやっぱり…滄我の恩恵が関係あるのよね。
はぁ。
「ジェイ、何かわかったか?」
「…字も見た事ありませんし、よくわかりませんね。」
「学がないのう。」
「モーゼスさんに言われると、死んじゃいたくなりますね。」
モーゼスの言葉に、ジェイは唇の端をピクピクさせながら言った。
「どれどれ…?古刻語とは違うみたいだねぇ。
…こーいうときはっ!」
ドカッ
「!?」
ノーマは勢い良く機械みたいなものを蹴った。
(私を含めて)他の皆はその行動にびっくり!目が点になった。
ブゥン…
でも、蹴ったのが良かったのか、モニュメントに渡る道が出来た。
「よっしゃーっ!やりーっ!!」
飛び跳ねて喜ぶノーマを余所に、私達は「これでいいのだろうか?」と思ってしまった。
中に入るとそこは…
「中メッチャあつ!!」
ノーマはぶーぶーと不満を漏らし、思い足取りで進んでいた。
確かに…暑いけれど…。
「敵だ!クーリッジ!!」
「わかった!」
魔物が現れた途端走り出すクロエとセネル。
それを援護するようにノーマがチアリングを唱える。
「ブラッディハウリング。」
今回から一緒に戦う事になったグリューネも爪術を唱える。
それも…はたから見て凄い術だって分かる。
グリューネは、ほわほわした微笑みで軽々と魔物を一匹仕留めてしまった。
「ちゃん、行ったよ!」
「あっ、はい!」
私は弓を構えると矢を放つ。
グサ。
…軽く刺さるだけ(笑)
あーん、役に立ってないですー!(泣)
「苦無!」
私の応戦も虚しく魔物はこちらに向かっていた。それをジェイは一発で仕留める。
「もっと頭を使って下さいよ。」
「…それって、私に言われているのですか?」
「さあ、どうでしょうね?」
ジェイはにっこり笑うと、スタスタ去って行く。
…ジェイの笑顔が黒いわ。
戦闘も無事終わり中をどんどん進んで行くと、大きな菱形の光る物体が見えてきた。
「これは何ですかね?モーゼスさん、ちょっと触ってみて下さい。」
「触っても大丈夫なんか?」
「わかりません。だから今試していただこうと…。」
「ワレなぁ!」
「あっ…セネル!」
ジェイとモーゼスのやり取りを気にすることなく、セネルは光る菱形の物体に近付いて行った。
そして手を翳そうとする。
「クーリッジ、待て!」
クロエが警戒してセネルを止めようと手を出した時、その物体は光り砕け、あるイメージを私達の頭の中に見せた。
今度は私も見えるみたい。
「白くて四角い物体?」
そのイメージは本当に一瞬で、白くて四角い物体を私達に見せただけだった。
その光る物体は、進んで行くと次も次もあり、二回目は白くて四角い物体に土を盛った場面、三回目は全てを土で盛りつくした場面だった。
「何なんじゃ、これは。」
「意図がよくわからんな。何がいいたいのやら。」
「本当ですね。」
私達は少し広い部屋に着くと、休憩をとるために座った。
「ちゃん怪我してない?」
「大丈夫です!ピンピンしてますよ!!」
「そっかぁ〜。そ〜いえばこんな暑いのに、ちゃん元気だねーっ?」
ノーマは手をパタパタさせながら私に言った。
「私は暑い所出身ですからね。慣れているのです。」
「クルザンドって暑いとこなんだ?」
「えぇ。普段はこんなに暑くはないけれど。でもこれ以上になることもありますよ。」
「ええっ……!?んじゃあたしは無理だな〜っ。これ以上暑かったら溶けそうだよ〜。」
私は笑うと、力強くうなずいてあげた。すると、ノーマも馬鹿笑いする。
終いには二人で大笑いしてウィルに拳骨で殴られてしまった。
「お前達、うるさいにも程があるぞ!」
「はーい。」
「はぁ〜い。」
二人でちゃんと謝ったら許してくれました。
「…あれを見ろ!」
またしばらく進むと、今度は前より二回りくらい大きな菱形の光る物体。
セネルとクロエは一緒に手を差し出す。
一瞬、眩しくて目を瞑る。そしてゆっくり目を開けると、そこはあの輝きの泉だった。
でも、ワルターに連れて来てもらった時と明らかに違う。
壊れていたオブジェは元通り。森の木々はまだ…若いみたい。
ここは……?
「シャーリィ!」
突然、セネルがシャーリィを呼ぶ声が聞こえた。
振り返るとそこには、シャーリィの姿。
シャーリィはスッと消えたかと思うと、他の場所でフッと現れる。
「シャーリィ!俺の声が聞こえないのか!?シャーリィ!」
セネルが何度呼んでも彼女は振り向きもしない。
「シャ…」
私も彼女を呼ぼうと声を出しかけた。途端、
体中に電撃が走ったような衝撃が起こる。
「うっ…!!」
私は思わずうなりながら膝をついた。
「、どうしたんじゃ!?」
それに気付いて、モーゼスが駆け寄って来てくれた。
「だ…いじょ…です。」
「大丈夫じゃないじゃろ!?こんなに汗が出とる!
ウィの字!シャボン娘!」
「なになに?えっ…ちゃんどーしたの!?」
「、大丈夫か!?」
私は二人にコクコクと頷くと、目を瞑って深呼吸した。
戦いはいけない。私達は、共に生きてゆけるのです!
(…?ステラ?)
お互いを認めれば、共に生きてゆけるのです!!
(…違う。ステラの声じゃない…?)
少し違いがあったとしても、同じ…人なのに!!!
なぜ、なぜ分かり合おうとしないのですか…?
(これは一体…)
「!!」
いきなりセネルの声が聞こえて、私は目を開けた。
さっきの電撃が走ったような衝撃はもう無く、目の前には大きな竜みたいなものがいる。
「大丈夫か!?」
「はっはい!」
「、ゲートが現れたんだ!一緒に戦ってくれ!!」
「っ…わかりました!」
私の返事を聞くと、セネルは前衛に戻って行った。
私も矢を番えると、弓を構えた。
結局、私は皆と同じイメージを見る事はできなかった。
きっとあの不思議な声のせいね。
皆は、メルネスの死や光跡翼という言葉を聞いたみたい。
私にも必要な情報なのに…。
モニュメントを出るとキュッポ達が待っていた。私達は凄い疲労感を感じたので、彼らの用意してくれた浜辺のテントに行った。そして着いた途端、倒れるように浜辺の砂の上で寝てしまった。
起きたら夜。
私達は夕食の用意をすると、それを囲んで話し合った。
…あのモニュメントで頭に過ぎったイメージについて。
「やっぱり皆同じですね。
…あの最初に見えた白くて四角の物体は、遺跡船と考えていいでしょうね。」
「でも、彼らは何故土を盛って大地をつくったんだ?」
「……。
でも、彼らは故郷を出たんですよね。それは大地をつくっときながら物好きですね。」
「ああ。俺達は次に、水の民が何故故郷を出たのかを知らなければならんな。」
ウィルの言葉に、皆で頷いた。
「さぁて、一段落したとこで、ご飯食べよーっ!!」
話に間が出来た途端、ノーマが目の前の鍋を指差して言った。
「…ノーマ、ちゃんと話を聞いてたか?」
ウィルがドスを効かせるように低い声で言う。
「聞いてたってば!!もーウィルっち、堅いんだから!
ぼげっ!」
ノーマの頭に見事な拳骨が入る。
すごく痛そう…。
「さて、食べるか。」
ウィルはスッキリしたのか、にこやかな笑顔で椀を取った。
私が聞いた声のこと、誰にも言わない方がいいのかしら……。
ステラに話そうと思って呼び掛けても出てこないし…、一体どうすればいいんだろう?
私はあの声の事を考えながら、むしゃむしゃとご飯を食べ続けた。
*************
ちょっと長くなりましたがー、モニュメントに入りましたー!
またオリジナルーな話になってきてしまいましたー(笑)
話を結構端折ってしまったかもしれません(スミマセン…。)。
2006/07/06
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